LMSを導入したのに、研修が現場で使われない理由
LMSを導入した当初は、
「これで研修がもっとスムーズになるはずだ」
そんな期待を持っていた方も多いのではないでしょうか。
●受講履歴は可視化できる。
●進捗管理もできる。
●教材も一元管理できる。
にもかかわらず・・・
しばらく時間が経つと、こんな違和感が出てくることがあります。
- 受講はされているのに、現場で使われている実感がない
- 修了率は高いのに、行動や成果が変わらない
- LMSは稼働しているのに、研修が「止まっている」ように感じる
もし少しでも心当たりがあるなら、それは決して珍しい状況ではありません。
LMSを導入したのに、研修が定着しないと感じる瞬間
導入直後は手応えがあったのに、数ヶ月〜1年ほど経ってから、
「結局、研修が現場に根づいていない気がする・・・」
そんな感覚が出てくることがあります。
この違和感は、ツールの性能だけで説明できないことが多いです。
「LMSの選定を間違えたのでは?」と感じてしまう理由
この段階で、多くの人が次のように考え始めます。
- もっと高機能なLMSを選ぶべきだったのでは
- UIが分かりづらいのかもしれない
- 他社のLMSなら、違った結果になったのでは
そして、
「ツール選定が失敗だったのではないか??」
という結論に近づいていきます。
しかし。ここで今一度、立ち止まって考えてみてください。
本当に問題は、LMSそのものなのでしょうか?
LMSは研修そのものではない
LMSは、研修を実施・管理するための仕組みです。
言い換えるなら、「入れ物」や「流通経路」に近い存在です。
どれだけ多機能なLMSであっても、中に何を入れ、どう流し、どう更新していくかが整理されていなければ、
研修が自然に回り出すことはありません。
ここで押さえておきたいのは、この点です。つまり・・・
LMSに問題があるわけではない。
しかし、LMSに入れただけで研修が回ることもありません。
多くの場合、問題はツールの性能ではなく、その前提となる構造にあります。
研修が現場で使われなくなる3つの構造的な理由
LMS導入後に研修が形骸化していく背景には、いくつか共通する構造があります。
ここでは解決策を提示するのではなく、「何が起きているのか」を整理します。
理由①:研修設計が現場の業務と結びついていない
研修の目的が、いつの間にか「受講完了」や「修了率」になっていないでしょうか。
- どの業務で、どう使われるのか?
- 行動として何が変わればよいのか?
こうした点が曖昧なままだと、研修は「ただ知識を受け取ってそれで終わるもの」になります。
現場で使われないのは、受講者の意欲の問題ではなく、
使われる前提で設計されていないだけ、というケースも少なくありません。
理由②:研修の運用が一度きりで終わっている
導入時には丁寧に作られた研修も、運用フェーズに入った途端、動かなくなることがあります。
- 初回リリース後、見直されていない
- 現場からの声が反映されない
- LMSは動いているが、研修は更新されない
研修は、本来「回しながら調整していくもの」です。
したがって、運用を前提にしない設計では、時間とともに研修内容と現場で必要とされる知識とのズレが大きくなってしまうのです。
理由③:研修の更新・管理が属人化している
- この研修は、誰が更新するのか分からない
- 担当者が変わった途端に止まった
- 忙しさを理由に、手が回らなくなっている
こうした状態も、非常によく見られます。
LMS自体は残っているのに、「研修を育てていく仕組み」がないため、結果として使われなくなってしまうのです。
問題はLMSそのものではない、という整理
ここまで見てきたように、研修が現場で使われなくなる理由は、LMSの良し悪しだけでは説明できません。
- 研修の設計
- 運用の考え方
- 更新・管理の前提
これらが整理されないままでは、どんなLMSを使っても、同じような課題に直面することになってしまいます。
LMSを見直す前に、考えておきたいこと
あなたの組織の研修は、
- 「使われる前提」で設計されていますか?
- 運用や更新まで含めて考えられていますか?
もし
「そこまでは考えられていないかもしれない」
と感じたなら、それは重要な気づきです。
LMSを変える前に、見直すべきポイントは、別のところにあるのかもしれません。
次の記事では、
「使われる研修」と「使われない研修」を分ける設計の考え方を、もう少し具体的に整理していきます。
答えを急がず、まずは構造を理解するところから、進めてみてください。
▶ LMS導入後に成果が出ない理由|定着しない研修の設計課題とは
この記事を書いているハッピフィーリングでは、LMS導入後の研修が「使われなくなる」背景について、研修設計や運用の観点から整理する取り組みを続けています。
もし、研修やLMSの活用について
「今どこが詰まっているのか整理したい」
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